ライブハウスは風営法の許可が必要?特定遊興飲食店とは何なのか?

ども、行政書士の松井です。

たまに頂くこんな質問があります。

 

「先生、風営法の改正でライブハウスは風俗営業の許可がいるって聞いたんですけど・・・」

 

結論から言うと、ライブハウスは“風俗営業”ではありません。

でも、許可が必要な場合はあります。

特定遊興飲食店とは?風俗営業との違い

ライブハウスを営業するにあたり、許可が必要になりうるケースについては、風俗営業ではなく特定遊興飲食店営業という種類の許可を取ることになります。

 

この特定遊興飲食店というのは、平成28年6月の風営法改正で新しくできた営業種目です。

 

改正前まではナイトクラブのようなお店は「ダンス飲食店」として風俗営業の1種目でしたが、法改正によって風俗営業からは除外されました。

 

風営法の概念として「ダンス」が消えたのです。

 

とはいえ、好き勝手にナイトクラブを営業していいようになったわけではなく、そのような営業に関しては風俗営業とは別のカテゴリを設けました。

 

それが、特定遊興飲食店なのです。

 

風営法の中に規定されているけれど、風俗営業ではない。

ちょっとイメージしにくいかもしれませんね(^^;)

 

例えば、キャバクラやホストクラブ、麻雀屋、パチンコ屋、ゲームセンター等は風俗営業のカテゴリに入ります。

 

一方で、バーは深夜酒類提供飲食店、デリヘルは無店舗型性風俗特殊営業といったように、風営法という法律の中で規制されているけど、カテゴリーとして全てが“風俗営業”ではないということですね。

 

まぁ、一般的にデリヘルのような性風俗営業こそが「ザ・風俗営業」って感じのイメージだと思うので、そこは世間のイメージとずれているところではあります。

 

みなさんがイメージする風俗店は、法律上は“風俗営業”ではなく“性風俗営業”ということになります。

 

少し話が逸れましたが、法改正によってできた新たなカテゴリーである特定遊興飲食店。

これは基本的にはナイトクラブをメインの対象としているものです。

 

当時は風俗営業として「3号・ダンス飲食店」の許可を取っていたナイトクラブは、一斉に特定遊興飲食店への移行手続をしました。

弊所も非常に大変だったのを覚えています(笑)

ライブハウスが特定遊興飲食店に該当する場合

で、この特定遊興飲食店営業なんですが、ナイトクラブ以外にも該当する可能性のある営業というのがあります。

それがライブハウスやショーパブといったお店です。

 

でも、全てのお店が該当するわけではなく、特定遊興飲食店営業の定義に該当した営業方法を行うお店に限ります。

 

では、該当するのかどうか確認するために特定遊興飲食店営業の定義をみてみましょう。

 

特定遊興飲食店営業とは、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営む者に限る。)で、午前6時後翌日午後0時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。)という。

…これだと何言ってるか分からないですよね。

 

では、ちょっとかみ砕いて分解してみます。

 

特定遊興飲食店営業とは

 

①設備を設けて客に遊興をさせ

②客に酒類を提供し

③深夜(夜0時以降)に営業するもの

 

ということになります。

 

①の「遊興」とは、簡単に言うとお店側が積極的に客に遊び興じさせる行為で、具体的にはDJが音楽をかけて客を盛り上げたり、生バンドの演奏をしたりすることです。

 

これについてはライブハウスは完全に該当しますね。

 

 

②について、お酒を一切出さないライブハウスはないと思いますので、ほぼ該当すると思います。

 

ポイントになるのが③です。

深夜に営業するもののみが特定遊興飲食店ということになります

 

ですので、0時までには演目を終了し、客を全員お店から追い出すことを徹底しているお店については、③の要件wに該当しませんので、特定遊興飲食店の許可を取る必要はないということです。

 

前述の3つの定義全てに当てはまって初めて特定遊興飲食店ということになりますので、1つでも欠けると該当しません。

 

ですので、これからライブハウスをやろうと思われてる方や、現在すでに営業されている方は、この定義に当てはまるかどうかで判断してください。

特定遊興飲食店の許可を取れる地域は極めて少ない

「深夜まで営業したいから特定遊興飲食店に該当する!許可を取らないと!」

 

と思ったあなた、ひとつだけめちゃくちゃ重要な話があります。

 

それは、特定遊興飲食店の許可を取れる地域は極めて限られているということです。

 

具体的には、大阪府でいうと市内の北区と中央区の一部の地域のみ。

いわゆる繁華街に該当する場所で、風俗営業の営業時間が深夜1時まで延長することが認められてる地域になります。

 

※風俗営業は基本的には0時までしか営業できないが、条例によって一部の地域の営業可能時間を延長することが認められています。

 

特定遊興飲食店の営業可能地域はコチラのページの中盤あたりに記載していますので、よかったら参考にしてください。

 

非常に厳しい場所に関する制限が設けられていますが、そもそもの趣旨としてナイトクラブのような夜中に騒ぐお店を想定していますので、住民の迷惑にならないためにも営業可能地域を繁華街に限定するしかないんですね・・・。

 

ですので、夜0時以降も営業するライブハウスについては、営業できる(許可が取れる)地域が非常に限られているということを念頭に置いてください。

 

もちろん、0時以降は一切お酒を出さないというのであれば、理論上は特定遊興飲食店に該当しなくはなりますが・・・現実的ではないですよね(^^;)

まとめ

今回はライブハウスと風営法の関係について解説してみました。

 

実はこれまで、僕のところにもけっこうライブハウスの相談がきているのですが、多くのケースが場所の問題で断念してしまっています。

 

物件を契約してしまってからでは後の祭りですので、ライブハウスをはじめ、特定遊興飲食店に該当しそうなお店の出店計画がある場合は早めにご相談ください。

 

もちろん、該当するかどうかの判断は無料相談の中で対応させて頂きますので(^^)

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