DJブースのあるバーを営業する際の注意点!必要な許可や届出について

行政書士の松井です。

 

今回はDJブースが設置されているようなバーについて触れたいと思います。

 

いわゆるDJバーと呼ばれるようなお店ですが、風営法の許可や届出に関してはどういう立ち位置になるのか、解説して行きます。

DJバーと普通のバーで必要な許可が違う?

 

DJバーとはその名のとおりDJブースのあるバーです。

 

では、DJブースがない普通のバーと比べて、風営法などの法律上の立ち位置はどう違うのでしょうか?

 

まず、普通のバーに必要な許可や届出は

 

  • 飲食店営業許可(保健所)
  • 深夜酒類提供飲食店営業の届出(警察)

 

になります。

 

飲食物を提供するので、まずは飲食店営業許可がベースとして必要になり、その上で深夜0時以降も酒類を提供することに関して警察に深夜酒類提供飲食店営業の届出をする必要があるということですね。

 

一方で、DJバーの場合はどうか?

 

結論から言うと、営業方法によって下記の2パターンに分かれます。

 

パターン①

  • 飲食店営業許可
  • 深夜酒類提供飲食店営業の届出

 

パターン②

  • 飲食店営業許可
  • 特定遊興飲食店営業許可

 

飲食店営業許可が必要なことは共通ですが、「深夜酒類提供飲食店営業の届出」もしくは「特定遊興飲食店営業許可」という2つの選択が生まれます。

DJバーは深夜酒類提供飲食店か特定遊興飲食店営業

 

「DJバーと言ってもバーでしょ?普通に深夜酒類提供飲食店営業の届出でいいんじゃないの?」

 

と思われるでしょう。

 

なぜバーにDJブースがあるだけで、特定遊興飲食店営業などという訳のわからないものが出てくるのか?

 

れは、DJがDJブースで音楽をかけて客を盛り上がるという行為が風営法で「遊興」というものに該当し、遊興を深夜に行い、かつ酒類を提供する場合は特定遊興飲食店営業許可を取得しなければならないと定められているからです。

 

基本的にはナイトクラブを想定した許可なのですが、その他にもライブハウスやショーパブ、イベントを行うトークライブハウスでも深夜に酒類を提供して営業する際は必要になる許可です。

 

ただ、この特定遊興飲食店営業というのは許可を取得するのが少々厄介でして、

 

  • 営業できる地域が極めて限られている
  • 客室面積が1室あたり33㎡必要

 

主にこの2点が許可を取るハードルを高めています。

 

特定遊興飲食店営業ができる場所は都道府県の条例で定められているのですが、主に繁華街の一部のエリアです。

 

大阪府で言えば大阪市北区と中央区の一部の地域(深夜1時まで営業可能な地域)のみ。

 

特定遊興飲食店営業許可についての詳細

 

また、客室面積が1室あたり33㎡というのも結構難しい。

 

「客室」面積なので、厨房やトイレなどは含みません。

 

あくまで客が遊ぶエリアだけで計算して33㎡というは、一般的なカウンター席+ボックス席が数席程度のお店では確保するのは難しい場合が多いと思います。

 

では、場所や客室面積の関係から特定遊興飲食店営業許可が取れない場合、DJバーの営業は諦めるしかないのでしょうか?

 

実はそんなことはなく、特定遊興飲食店ではなく通常のバーと同様に深夜酒類提供飲食店営業の届出をして営業することも可能です。

 

ただし、その際にはいくつか注意点があります。

DJバーを深夜酒類提供飲食店営業の届出で営業する際の注意点

 

DJバーを深夜酒類提供飲食店営業として警察に届出をして営業する場合に理解しておいて頂きたいこととして、まず深夜0時以降はDJブースでプレイすることができないということです。

 

前述のとおり、深夜0時以降に酒類を提供して遊興をする場合に特定遊興飲食店営業許可を取る必要があります。

 

逆に言えば深夜0時以降に「遊興しない」or「酒類を提供しない」という場合は特定遊興飲食店営業に該当しないということになりますよね。

 

まぁ、0時以降に酒類を提供しないというのはバー営業としては難しいと思いますので、遊興を0時までにする方が現実的だと思います。

 

また、警察に深夜酒類提供飲食店営業の届出をする際、添付の営業所平面図に記載されたDJブースに関して、ほぼ何かしら突っ込まれると思います。

 

その際も、はっきりと「深夜0時以降は利用しません」と答え、場合によっては誓約書を提出するよう求められる可能性もあります。

 

また、警察の立ち入りが入った際、深夜0時以降にDJプレイをしているところを見られてしまうと、特定遊興飲食店営業の無許可営業の現行犯となってしまうので、注意が必要です。

 

ちなみ、特定遊興飲食店営業の無許可営業については、風俗営業と同様に「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、又はその両方」という罰則があります。

 

第四十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

ただし、DJブースをただの音響装置として利用し、DJがプレイすることなく単純に音楽を流しているだけの場合は遊興には該当しませんので、深夜0時以降は無音で営業しなければならないわけではありませんのでご安心を。

まとめ

今回は少しマニアックですが、DJバーについて解説してみました。

 

結論を言うと、やはり特定遊興飲食店として営業することが何よりクリーンで安全です。

 

ただ、繰り返しになりますが、特定遊興飲食店営業は許可のハードルが高いので、深夜酒類提供飲食店営業として営業すると言う選択肢も現実的には出てきます。

 

その場合は今回の記事を参考にして頂ければと思います、

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