ども、行政書士の松井です。

 

実は、4月から携わってきたパチンコ会社の組織再編の手続があるのですが、明日の最後の届出でようやく終焉を迎えられそうです。

 

その中で、パチンコ店特有の台入替の運用に伴う細かい注意点について署と相談して認識を統一したことがありますので、今回はそれをお伝えしたいと思います。

 

・・・って、なんか堅苦しい感じですね(笑)

まぁそんなに難しいことではないので、ホール業務に携わってる方なら「あぁ、なるほどね」と思ってもらえると思います(^^)

風俗営業の組織再編手続とは?

風営法には、風俗営業の組織再編についても手続が規定されています。

具体的には以下の4つになります。

 

  1. 吸収合併
  2. 新設合併
  3. 吸収分割
  4. 新設分割

 

組織再編について、ここで難しい話を深堀しても仕方ありませんので簡単に説明すると、「合併」とは会社同士がくっつくことで、「分割」とはその事業だけを切り離して他の会社に売り渡すというイメージです。

 

吸収合併とは、一方の法人格を存続させたうえで、他方の法人格を消滅させて権利義務を継承させる手法です。

 

簡単にいうと、A社がB社に吸収されて、A社という法人は消滅してB社として残る、というイメージです。

 

また、新設合併は、全ての法人格を消滅させたうえで、新たに設立した法人に権利義務を承継させます。

A社もB社も消滅して、その中身を新しくつくったC社という法人が引き継ぐという感じですね(^^)

 

一方で、吸収分割とは、その法人の一部または全部の事業を既存の他法人に承継する手続です。

A社のパチンコ事業部門を既存のB社に売って承継させる、と言うと分かりやすいかと思います。

 

また、新設分割は、A社のパチンコ事業部門を新たに設立したC社に承継させる手続のことをいいます。

既存の法人に承継させるのか、今回の組織再編に伴って新設した法人に承継させるのかの違いですね。

合併承認申請や分割承認申請の流れ

風営法では、風俗営業や特定遊興飲食店を営業する法人が合併や分割をする際には、事前に公安委員会の承認を受けなければならないとされています。

 

これらの手続を、いわゆる「合併承認申請」や「分割承認申請」と呼びます。

 

法人の合併や分割は、法務局に登記をする必要があるのですが、風俗営業者たる法人が公安員会の承認を得ることなく勝手に合併登記や分割登記を行ってしまうと、営業権自体が無効になってしまいます。

 

なぜなら、既存の風俗営業許可はA社という法人格に対して出されたものであって、他のB社に対しては何の許可も出されていないからです。

 

もっと具体的に言うと、A社の役員は風営法の欠格事項に該当する者が一人もいなかったとしても、B社にはいるかもしれません。

 

このように、公安委員会が何の審査もしていない別人格に対して勝手に営業権を承継させるというのは、ありえないというワケです。

 

流れとしては、

 

①資産や負債を含む権利義務関係や雇用問題、税務面なども含めてスキームを検討。

 

②スキームが固まれば分割(合併)契約書(新設の場合は契約する法人がまだ存在しないので計画書)を作成

 

③所轄の署を通じて公安委員会に事前相談

 

④分割(合併)承認申請

 

⑤承認されれば登記

 

⑥公安委員会に許可証書き換え申請(許可証に記載される営業者名が変わるため)

 

という感じです。

台入替に伴う注意点と対処した事例

今回の事例は吸収分割承認だったので、それを前提にお話しします。

 

大阪府の場合、合併や分割承認申請は、内容に問題なければ申請書が受理された日から概ね35日で承認されます。

 

ここで注意点として、承認された後、登記が完了して許可証書き換え申請が完了するまでの間に台入替がある場合です。

 

登記というのは申請してから約1週間~2週間程かかることが通常です。

 

その間、例えば実際は既にA社からB社に権利義務が承継され、B社が営業しているにも関わらず、手続のタイムラグの関係で、許可の名義はA社のままになっている。

 

では、事実としてB社が営業者なのだから、入替の変更承認申請はB社として申請するとしましょう。

 

すると、添付書類に含まれる遊技機業者が発行した書類上、ホール営業者は「A社」となっていることあります。

 

こうなると、もう何が何だかわけが分からなくなりますね(笑)

 

このあたりを矛盾なく手続するために、事前に署と打ち合わせて意思統一をしておく必要があります。

 

ちなみに、今回は大阪府と奈良県の2店舗で分割承認申請をしたのですが、やはり微妙に運用というか、指示が異なりました。

 

大阪府警の場合は、

・承認後、分割の効力発生後は、権利義務を承継した法人(前述の例で言うとB社)として台入替の変更承認申請をするが、添付書類に記載される法人名に矛盾が生じた場合はそれに対する理由書を添付する。

 

・許可証の名義はA社のままになっているが、B社として手続をする分には問題はない。

 

という感じ。

 

一方、奈良県警は

・分割の効力が発生した時点で、「今後は許可証書き換え申請までの間はB社として手続を行うこと」、「書類上の矛盾が発生する可能性があること」等の内容の理由書を提出する

 

という運用となりました。

 

当然ですが、実態として営業者がA社からB社に変わっているのに、許可証にはまだA社と記載されているからA社名義で入替申請を行うということはありえないわけです。

 

B社として手続を行うことを前提に、表面上の矛盾をどう修正するか、というところは各都道府県の公安委員会によって運用が微妙に異なるようですね。

まとめ

今回は、風俗営業者の組織再編に伴う事例について書いてみました。

 

風営法の組織再編手続というのは何もパチンコ店に限ったことではなく、法人として営業しているならば、キャバクラ・麻雀・ゲームセンター・アミューズメントカジノ・ナイトクラブ等、風俗営業と特定遊興飲食店営業には共通する手続です。

 

まぁ、組織再編をするほどの規模の法人で営業しているとなると、やはりパチンコ店が中心になるわけですが・・・。

 

ただ、例えばナイトクラブで他法人での許可の取り直しを相談された際、内容によっては新規許可申請ではなく分割や合併をオススメしたこともあります。

 

風営法が絡む組織再編というのは行政書士ひとりでやるものではなく、税理士や司法書士等が協力して進めていくものです。

 

僕の回りには組織再編の強い他士業の先生が多くいらっしゃいますので、そのあたりのご相談もぜひお気軽に声をかけて頂ければと思います(^^)

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