ども、行政書士の松井です。
つい先日、兵庫県で申請中のアミューズメントカジノの許可がおりたのですが、標準処理期間を大きく下回る異例の速さで許可を出してもらえました。
予定よりも2週間以上早く、僕のキャリア史上でも最短記録となりました(^^;)
標準処理期間はあくまで「標準」なので、その時の状況によって多少前後することはありますが、ここまで早くなることは珍しいです。
申請者さんも驚かれていましたが、何はともあれ早く許可が出るに越したことはありませんね。
アミューズメントカジノの許可は何日かかる?
アミューズメントカジノは、基本的に風俗営業の5号営業(ゲームセンター等と同じ許可)に該当するのですが、この5号許可の標準処理期間は多くの都道府県で55日となっています。
大阪の場合ですと、1号営業許可(社交飲食店)も同時に取得する関係で45日と少し短くなっています。
ただ、この標準処理期間は各都道府県によって異なる場合がありますので、申請前に確認しておく必要があります。
また、標準処理期間に土日祝日を含めて計算するかどうかも都道府県によって運用が異なります。
ゴールデンウイークや年末年始を挟むと大幅に遅れるという場合もありますので、事前に把握して準備を進めてください。
ちなみに、大阪の場合は特段何もなければ基本的に土日祝日を含めて標準処理期間内に審査してもらえることがほとんどです。
許可が早く出た要因を分析してみた
今回、標準処理期間よりも2週間以上早く許可を出してもらえましたが、要因としては以下のようなことではないかと思います。
- 取り扱い件数が少ないタイミングだったので事務処理に余裕がった
- 事前協議段階で何度も顔を合わせて協議していた
- 検査翌日には全ての書類手続を終わらせることができた
- 急いでいるとアピールした(笑)
ざっとこんなところでしょうか。
風俗営業の取り扱い件数は署によって大きく異なります。
大阪市のキタ・ミナミのような繁華街を管轄する署であれば大量の申請が舞い込んできますし、逆に郊外の署であれば滅多にないというところもあるでしょう。
5号営業の場合、許可の決済は最終的に警察本部が出すので、他の1号営業等の署が決裁する許可に比べれば影響が出にくいかもしれません。
それでも、署で受理し、処理をしてから本部に送達しますので、やはり署の取り扱い件数に余裕があるに越したことはありません。
これは時期にもよるので何とも言えないのですが、コロナの影響で件数がたまたま減っていたという事情もあったのかもしれませんね。
最後の「急いでいるアピール」ですが、基本的に効果ないです(笑)
署の担当者と何度も顔を合わせてある程度関係性を築いていれば、どこか頭の片隅に置いておいてくれるかもしれませんが・・・。
ちなみに今回は検査時にオーナーさんが「12/1にオープンしたいんです!」と担当者にゴリ押しでアピールされてたのですが、見事に希望が叶ってしまいましたね(^^;)
アミューズメントカジノと飲食スペースについて
冒頭で標準処理期間よりも2週間以上早く許可がおりたアミューズメントカジノの話に触れましたが、このお店の検査時に多少一悶着ありましたので、そのあたりの情報をシェアしたいと思います(と言っても大したことではないですが)。
アミューズメントカジノは基本的に風俗営業許可に加えて飲食店営業許可を取得して、お酒を提供していると思います。
これにより、客はカジノテーブルでゲームを楽しみながら飲食をするケースが大半だと思うのですが、他にも飲食専用のテーブルとイスがあったり、バーカウンターがあったりする場合がありますよね?
それらのスペースを風俗営業許可の「客室」に含めるのか?という点で検査時に議論が沸き起こりました。
大阪であれば社交飲食店の1号許可も同時取得しますので、飲食スペースも客室に含みます(接待行為も想定されたうえでの1号・5号同時取得だから)。
しかし、多くの都道府県は5号営業だけです。
客室と言うのは、「風俗営業として客が利用する部分のみ」とするのが基本。
例えば休憩用のテーブルでポーカーをやるわけではないので、そこは客室から外さないといけなのではないか?ということです。
今回のケースで言うと、申請前の事前協議の段階ではバーカウンターも客室に含んで申請するという流れになっていました。
しかし、検査時には前述のような論点が出てきたのです(だから事前に確認したのに・・・)。
まぁ、事前協議は署と警察本部に対して行いますが、検査に来るのは浄化協会という組織なので、場合によってはそこで摩擦が起きてしまうんですね。
結局は、カウンター部分は客室から外すということになったのですが、当然そこで飲食すること自体は何ら問題ありません。
だって、「風俗営業として利用する客室」以外で、単純な飲食という風俗営業以外のことをすることは全く自由ですからね。
飲食スペースを客室に含めるか否かの判断基準
今回のお店では飲食スペースは固定されたバーカウンターのみであり、その先は厨房だったので、単純にカウンターの面積だけを客室から減算するだけでした。
しかし、仮にこれが固定カウンター等ではなく、ただ単にテーブルとイスを設置しているだけだったらどうでしょう?
これでは、どこからが客室なのか明確な線引きができないです。
このように明確に分けられないという場合は、飲食スペースも客室に含んで計算するということになるでしょう。
ただ、行政書士としては、なるべく客室を広く取りたいという気持ちがあります。
なぜなら、今後レイアウト変更をする場合、客室の範囲を広く取っておいた方が融通が利くからです。
例えば、客室として許可されていない部分を客室として使うようなレイアウト変更をしてしまうと、客室面積を無承認で変更したとして、風営法違反となります。
この無承認変更は風俗営業許可の取消事由にもなっており、さらには「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこれらの併科」という恐ろしい違反事項です。。
このように、客室面積を変更するには「変更承認申請」といって事前に警察の承認を得る必要があり、これは現場検査もあってけっこう大がかりな手続になってしまいます。
ただ、逆に言うと、客室以外の部分には設置するものの高さ制限(1m未満)はありませんので、そういう意味では気を遣わなくて済むというメリットも。
※ただし、アイランドカウンター内の厨房など、客室以外に1m以上の物を設置した結果、客室の見通しを妨げるようになるというのはNGです。
風俗営業の客室の範囲というのは、ケースバイケースで解釈や主観も入ることから、なかなかデリケートな問題でもあるんですよ。
基本的に客室に含む(社交飲食店許可も取得するため)大阪以外の5号営業のみ申請の都道府県
・明確に分けられるのならば客室には含まない
・明確に分けることが不可能ならば、客室に含む
まとめ
今回は、過去最速でアミューズメントカジノの許可がおりた話と、飲食専用スペースについての解釈の話でした。
後者は少しマニアックは話ですが、カジノテーブルを設置する面積の制限に関わる、けっこう重要なところです。
同じような議論は麻雀屋やパチンコ店でも起こり得ますね
以上、ご参考にあれば幸いです。