アミューズメントカジノは特定遊興飲食店営業として深夜営業できるか?

ども、行政書士の松井です。

今回は、クライアント様から頂いた質問をもとに、その回答と理解をシェアしたいと思います。

 

質問の内容は「アミューズメントカジノを深夜(0時以降)も引き続き、特定遊興飲食店として営業したいんだけど、できる?」というものです。

 

結論から言いますと、できません。

 

なぜできないのか?

その根拠を法律に従って説明していきますね。

風俗営業と特定遊興飲食店は同時取得自体は可能

 

先に言っておきますが、風俗営業(5号営業)と特定遊興飲食店、許可自体を両方取得することは可能です。

 

まず前提として、アミューズメントカジノは風俗営業許可が必要ですよね。

 

基本的には5号営業(大阪府の場合、通常は1号許可も同時取得)を取得して営業することになりますが、風俗営業を営業できる時間は条例による一部地域を除き午前0時までです。

 

そこで、こんなことを思いつくわけです。

 

  • 午前0時までは風俗営業許可としてアミューズメントカジノを営業する。
  • 午前0時以降は特定遊興飲食店許可として、遊興(ポーカー大会等)をさせる営業をする。

 

この作戦を決行するには、ひとつのお店で風俗営業許可と特定遊興飲食店営業許可の両方を取得する必要があり、それ自体は前述のとおり、法的には一応可能です。

 

「一応」とつけたのは、許可を2つ取ること自体はできますが、今回の「深夜0時以降もアミューズメントカジノを営業する」という目的は実質的に達成不可能だからです。

特定遊興飲食店としてアミューズメントカジノの深夜営業ができない法的根拠

許可は両方取れるけど、0時以降アミューズメントカジノとして営業はできない。

 

どういうことかと言いますと、風営法の解釈運用基準という条文に答えがあります。

順番に見ていきましょう。

 

4 法第2条第1項第5号の遊技設備を設置する場合の取扱い

特定遊興飲食店営業を営もうとする者が、営業所内に法第2条第1項第5号の遊技設備を設置しようとする場合が考えられる。

 

特定遊興飲食店営業と風俗営業の同時取得、まさに今回のケースですね。

 

(1) 例えば、遊技設備を設置しているが、それを用いた競技大会は開催していないナイトクラブのように、遊技設備を設置して客自身に使用させるとともに、当該遊技設備を用いずに客に遊興をさせ、かつ、客に飲酒をさせる業態の営業を深夜に営もうとする場合は、遊技設備を客自身に使用させることにつき法第2条第1項第5号の営業の許可を受け、遊技設備を用いずに深夜に客に遊興と飲酒をさせることにつき特定遊興飲食店営業許可を受ける必要がある。

 

条文ではアミューズメントカジノではなくナイトクラブを例に出していますが、内容は同じです。

 

ポイントは、風俗営業の対象となる遊戯設備は客自身が使用することを前提としている一方、深夜に遊興させる特定遊興飲食店に関しては遊戯設備を使用させないことを前提としているところです。

 

「遊戯設備を用いずに」と書かれていますね。

 

 

この場合、法第2条第1項第5号の営業の部分には、風俗営業に係る営業時間の制限が適用され、風俗営業が認められない時間になった場合には、当該遊技設備を客に使用させないための措置を講じる必要がある(第17中2②を参照すること。)。

 

つまり、0時までは風俗営業を営み、0時以降は特定遊興飲食店として営業する場合、0時以降は客が遊技機を使えなくしなさい、と言っているわけです。

 

これをアミューズメントカジノに当てはめると、0時以降はポーカーテーブル等が使えなくなりますので、遊興(ポーカー大会等)なんてやりようがないですよね。

 

この条文は、ナイトクラブ内にデジタルダーツやスロットを設置する場合を想定し、5号営業許可と特定遊興飲食店の共存について解釈を示したものです。

※現在は法改正により、デジタルダーツに関しては原則的に風俗営業の対象から外れることとなっています。

 

しかし、この考え方はアミューズメントカジノであっても同じ。

 

そもそも、特定遊興飲食店営業とは深夜に酒を提供しながら客に遊興させる場合に必要な許可であり、この場合の「遊興」は風俗営業の対象となるような遊戯設備を用いることを想定していません。

 

特定遊興飲食店と風俗営業は、根本的に内容が違うものなんですよ。

 

特定遊興飲食店営業を取得したからといって0時以降も風俗営業が営業できるのであれば、風俗営業の規制の意味がありませんからね(^^;)

 

ちなみに、特定遊興飲食店営業許可を取得しているナイトクラブが遊戯設備を設置している場合、「遊戯設備の面積の3倍」が客室面積の10%以内であれば、営業に与える影響は少ないものとして0時以降も客が遊戯設備を使用することができます。

 

ただ、アミューズメントカジノは遊戯設備がメインですので、10%以内というのはあり得ないですよね。

 

したがって、どんな場合でも一般的なアミューズメントカジノが深夜営業するこは不可能であるという結論になります。

※条例で営業可能時間が延長されている地域は除く

まとめ

今回は、アミューズメントカジノを運営するにあたり、「風俗営業5号許可と特定遊興飲食店営業許可の両方を取得して深夜も営業できるか?」という点について解説しました。

 

再度結論を超簡単に言うと、「できない。できたら風俗営業許可の意味がなくなるから。」というわけです(^^;)

 

今後も、クライアント様から頂いた「こんな場合はどうなの?」というリアルな質問を取り上げて、回答をシェアしていきたいと思います。

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