行政書士の松井です。
去る2021年12月24日、クリスマスイヴに寝屋川市で1号社交飲食店(ラウンジ)営業許可申請を2件ぶち込んでいたのですが、その現場検査が先日行われました。
検査自体は何ら問題なく終わり、後は最後の事務手続を済ませて許可を待つだけという状況。
大阪市内に比べると受任件数は少ない地域ではあるのですが、意外にも(?)寝屋川市駅付近にはラウンジっぽいお店はけっこうあったりします。
そこで、今回の寝屋川市での風俗営業許可申請2件を終えた所感などを書き留めたいと思います。
寝屋川市で風俗営業許可が取得できる地域
寝屋川市は住宅街が多く、風俗営業が可能なエリアはある程度絞られています。
申請可能なエリア候補として、代表的な例として京阪寝屋川市駅付近をみてみます。
下記の画像は、京阪寝屋川市駅を中心とした用途地域の図です。
少し分かりにくいですが、ド真ん中が京阪寝屋川市駅で、1/2500の縮尺になっています。
この地図では、真ん中がピンク色、その周りが薄いピンク色になっていますよね。
ピンク色の部分が商業地域、薄いピンク色の部分が近隣商業地域という用途地域になります。
平たく言えば、「商売を目的として使用していい地域」ということ。
申請場所が上記のエリア内にあり、かつ、周囲に病院や学校等の保全対象施設が存在しなければ場所の要件は満たしているということになります。
つまり、用途地域を満たしていても、保全対象移設からの距離要件を満たしていなければ許可がおりないので注意が必要です。
例えば、画像では見にくいですが、中心の寝屋川市駅から東側(右側)の黄色い部分に寝屋川高校があります。
薄ピンクの部分(近隣商業地域)のエリアは東側に細長く続いてはいるものの、たとえ近隣商業地域内でも寝屋川高校から100m以内の場所では許可がおりません。
今回弊所が依頼を受けた2件は、ともに寝屋川市駅より西側でしたので、調査の結果、場所の要件も満たしており、無事に受任・申請という運びになりました。
また、ピンクや薄ピンク以外の部分は黄色や緑色になっていますよね。
これらの地域は、第〇種住居地域等という地域で、原則として商売ではなく住居目的でしか使えないエリアになります。
よって、一部の例外を除き、これら住居系の地域内では風俗営業許可は申請できないということです。
寝屋川市は風俗営業許可ではなく深夜酒類提供飲食店営業届出の店が多い?
今回、寝屋川市で社交飲食店の許可申請を2件受任したわけですが、クライアント様から「寝屋川のラウンジは無許可でやっている店が多い」と聞きました。
実際どうなのかは弊所では把握できません(^^;
ただ、寝屋川警察署の担当者とも話をしている中でも、そのようなニュアンスを感じました。
どうやら、風俗営業許可ではなく深夜酒類提供飲食店営業の届出で営業しているお店も多いようです。
深夜酒類提供飲食店営業の届出であれば、先ほど説明した保全対象施設の規制はありませんので、用途地域さえ満たせば場所の要件はクリアできます。
さらに、堂々と朝まで営業することも可能だし、風俗営業許可と比べると手続は多少簡略化されます。
ただし、深夜酒類提供飲食店営業の届出では「接待行為」ができません。
ですので、キャストが客と一緒にお酒を飲んだりカラオケを歌ったりというサービスは本来できない営業になってしまいます。
今回ご依頼頂いた2店舗のオーナー様達は「うちは完全にクリーンで合法的な営業を堂々とやりたい」ということで、きちんと風俗営業許可を取得をご希望されました。
このあたり、弊所は本当に質のいいクライアント様に恵まれているなと感じます。
ちなみに、このうちの1店舗と同じビルで深夜酒類提供飲食店営業の届出で営業しているお店があるそうなのですが、以前そこに寝屋川警察の立入が入ったそうです。
そして、スツールが置いてあるの見つけた警察官は
「なんでスツールがあるねん?ここ深夜酒類営業やろ!接待行為してるんとちゃうんかい!!」
と相当厳しく詰めたとか何とか・・・笑
恐らくそのときは接待行為自体は現認できなかったのだと思いますが、現認されていれば一発逮捕の可能性もあり得る話です。
寝屋川市で風俗営業許可申請を終えた所感
今回、寝屋川警察管内での風俗営業許可申請を2件終えた所感として、「重箱の隅をつつくような細かいことはあまり言わないけど、基本的なルールや法律には非常にシビアな目で取り締まりそうだな」というのが率直な感想です。
大阪市内であれば、現場検査では客室面積の数字を1㎝単位で追及される等、非常に細かいところを指摘されます。
これは、大阪市内は浄化協会という組織が検査を委託されており、とにかく風俗営業許可の要件確認に特化した検査となりがちだからです。
しかし、寝屋川署をはじめとする大阪市以外の場合、担当の警察官が直接現場検査に来ます。
もちろん風俗営業許可の要件確認も行いますが、1㎝単位で寸法を必死で測って指摘してくるという人は稀で、どちらかというと“健全な営業をするように”という指導を重視されることも多いです。
今回のケースでも、検査中に申請者に対して従業者名簿やカラオケのルール等、実際に営業が始まってからの注意事項の説明が綿密に行われていました。
こういった説明は、通常最後の最後、許可証の受け取りに際にされることがほとんどなので、珍しい光景でしたね。
また、先ほど寝屋川市では風俗営業許可ではなく深夜酒類提供飲食店の届出で営業しているお店が多いらしいという話をしましたが、寝屋川警察署としてもある程度把握してそうな雰囲気でした。
担当者曰く「コロナの影響がなければもっと立ち入りに行きたいのが本音」だということですので、「どうせ立ち入りが来ないから大丈夫だろう」という思い込みを続けるのは危険かもしれません。
ちなみに、インスタなどにキャストが接待行為をしていることがわかる写真をアップしているしている無許可営業のお店もあるようですが、最近の警察はびっくりするくらいSNSもチェックしていますので、注意した方がいいですよ。
これは寝屋川市での話ではありませんが、以前別の申請をした際に、担当者がその場でスマホを取り出し、その店のSNSをチェックしはじめたことがありました。
そして、「申請図面のこの部分って、この写真のここですか?勝手に変更してませんかね?」と突っ込まれたときは焦りましたよ(;^^
まぁ、そのときは何とか事なきを得ましたが、これだけ情報がすぐに拡散する現代では、そのあたりも慎重に考える必要がありますね。
まとめ
今回は、寝屋川市でのラウンジ申請について、直近の事例を踏まえ、個人的な所感を交えながら解説させて頂きました。
京阪寝屋川市駅付近での申請可否について少し話しましたが、これはあくまでひとつの例ですので、このエリア以外でも風俗営業許可の取得や深夜酒類提供飲食店営業の届出が可能です。
ただ、繰り返しになりますが、寝屋川市は住居系の用途地域も多く、学校などの保全対象施設が商業地域に隣接しているケースもありますので、場所要件の確認は慎重に行う必要があります。
以上、ご参考になれば幸いです。