社交飲食店とは
キャバクラやラウンジ、ホストクラブ等、接待行為を伴う飲食店を社交飲食店と呼びます。
接待とは、分かりやすい例を挙げると「特定の客にべったりとついて談笑する」「お酌をする」「一緒にカラオケを歌う」などです。
どれもキャバクラやホストクラブでは必須の行為ですね。
接待についての詳しい内容はコチラで説明していますので、参考にしてください。
このような社交飲食店を営むには風営法の許可が必要です。
社交飲食店(キャバクラ等)の許可要件
①人的要件
人的要件とは簡単に言うと「こんな人には風営法の許可をあげませんよ」という要件です。
例えば、1年以上の懲役刑に処せられたことのある人は、出所してから5年を経過するまでは社交飲食店などの営業者になれません。
この人的要件にひっかかっている場合、その人が申請者として申請する許可に関しては天地がひっくり返っても許可がおりませんので注意してください。
②場所要件
社交飲食店などの風俗営業には、営業できる場所とできない場所があります。
こちらも人的要件と同様に、営業できない場所で申請しても許可はおりません。
不動産を契約してから許可がおりないことが発覚すれば、多大な金銭的損害を被ってしまいます。
よって物件を契約する前に念入りに調査することが重要です。
③構造要件
構造要件とは、その名のとおり営業所の構造に関する要件です。
構造要件は風俗営業の種類によって微妙に異なります。
→客室が2室以上ある場合のみ、各部屋にある程度の広さが必要となります。
→キャバ嬢が接待してる様子が外から見えたらダメ。なので通常キャバクラの客室に窓はない。
→高さ1m以上の物を置いたらダメ。その他見通しが悪い構造はNG。
・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
→店内に卑猥な写真やポスターを貼らないでね。
・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口についてはこの限りではない。
→VIPルームその他あらゆる客室に鍵はつけたらダメ。ただし、その客室の出入口=お店自体の出入口の場合はOK。
・営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を維持すること。
→明るさが5ルクス以下になったらダメ。明るさを変えられる装置(スライダックス等)も設置したらNG。
騒音又は振動の数値が一定の数値に満たないように維持されるための必要な構造又は設備であること。
→防音対策をすること。例えば大阪府の商業地域の場合、営業所内からの音漏れが55デジベル未満となっているか確認。
風営法では基本的な構造要件が定められていますが、実際のところ、現地調査での担当官の判断によるところが大きいです。
例えば、「客室内の見通しを妨げる設備を設置してはならない」という要件。
一応、床からの高さが1m以上の物は見通しを妨げる設備とみなすという具体的解釈は出ているのですが、店舗によって構造は千差万別ですし、高さ制限以外のところにおいても「これは見通しを妨げる構造か否か」という判断が分かれるところです。
したがって、場所的要件と同様に、物件契約の前に慎重に検討する必要があります。
社交飲食店(キャバクラ等)の許可を取るポイント
大阪府における社交飲食店の許可を取得するのに要する期間は、申請してから45日が目安です。
キャバクラやラウンジ、ホストクラブ等の社交飲食店の許可を取得するポイントは、店側がやりたい内装や店舗構造をいかに風営法の規制範囲に収めて現地調査をクリアするかということになります。
通常、営業者の「やりたいこと」を100%そのまま盛り込むとが、風営法に引っかかって検査に通らないことがほとんどです。
例えば、お店としては客のプライバシーに配慮してボックス席間にツイタテをつくりますが、横のボックス席が完全に見えないようなツイタテをつくってしまうと、床からの高さが1m以上となってしまい「見通しを妨げる設備」となってしまいます。
また、一般客室とは別に少人数用のVIPルームをつくりたいという希望をよく聞きます。
そうなると、一般客室とVIPルームそれぞれの床面積が16.5㎡以上必要になりますが、これがなかなか厳しい。16.5㎡って意外と広いんですよ。
なので、それなりの広い店舗を借りていないと、2室構造にすることができないのです。
したがって、「やりたいこと」がどこまで法の範囲でできるのか、また、署によって現地調査の判断基準も異なるのが実態ですので、きちんとそれに合わせられるかというところが大きなポイントになるかと思います。