ゲームセンターについて
ゲームセンターを営業するには、風俗営業許可を取得する必要があります。
ただし、ゲームセンターの場合、風営法で規制対象になっているゲーム機とそうでないゲーム機があります。
プリクラやキッズカード等規制対象外ですが(一部地域では物議があるようです)、クレーンゲームやアーケードゲーム、音ゲー(太鼓の達人やダンレボ等)等は全て規制対象となります。
プリクラ専門店が風俗営業許可を取らずに営業できるのはこのためです。
ここで、風営法の許可が必要となるゲーム、不要なゲームを具体的に紹介します。
許可が必要となるのは以下のようなゲームです。
→ゲーム用のスロットやメダルゲームなど
→格闘ゲーム、対戦型麻雀ゲーム、インベーダーゲーム等
→ピンボールゲーム
・上記の他、遊戯の結果が数字、文字その他の記号又は物品により表示される遊戯の用に供する遊戯設備
→クレーンゲーム等
・ルーレット台、トランプ及びトランプ台その他ルーレット遊戯又はトランプ遊戯に類する遊戯の用に供する遊戯設備
→ルーレット台、トランプ台、花札やサイコロ等を使用して遊戯させる設備
(戦闘により倒した敵の数を競うもの等、運転や操縦以外の結果が数字等により表示されるものを除く)
・プリクラ
ゲームセンターの許可要件
大阪府の場合、ゲームセンターの許可がおりるまでに要する期間は、申請してから55日が目安です。
ここで、ゲームセンターの許可を無事に取得するためのポイントを解説します。
①人的要件
人的要件とは簡単に言うと「こんな人には風営法の許可をあげませんよ」という要件です。
例えば、1年以上の懲役刑に処せられたことのある人は、出所してから5年を経過するまでは社交飲食店などの営業者になれません。
この人的要件にひっかかっている場合、その人が申請者として申請する許可に関しては天地がひっくり返っても許可がおりませんので注意してください。
②場所要件
麻雀屋などの風俗営業には、営業できる場所とできない場所があります。
こちらも人的要件と同様に、営業できない場所で申請しても許可はおりません。
不動産を契約してから許可がおりないことが発覚すれば、多大な金銭的損害を被ってしまいます。
よって物件を契約する前に念入りに調査することが重要です。
③構造要件
構造要件とは、その名のとおり営業所の構造に関する要件です。
構造要件は風俗営業の種類によって微妙に異なります。
→高さ1m以上の物を置いたらダメ。その他見通しが悪い構造はNG。
・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
→店内に卑猥な写真やポスターを貼らないでね。
・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口についてはこの限りではない。
→VIPルームその他あらゆる客室に鍵はつけたらダメ。←アミューズメントカジノの場合は要注意!ただし、その客室の出入口=お店自体の出入口の場合はOK。
・営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を維持すること。
→明るさが10ルクス以下になったらダメ。明るさを変えられる装置(スライダックス等)も設置したらNG。
・騒音又は振動の数値が一定の数値に満たないように維持されるための必要な構造又は設備であること。
→防音対策をすること。例えば大阪府の商業地域の場合、営業所内からの音漏れが55デジベル未満となっているか確認。
・遊戯料金として紙幣を挿入することができる装置を有する遊戯設備又は客に現金若しくは有価証券を提供するための装置を有する遊戯設備を設けないこと。
→ゲーム機への料金投入は紙幣ではなく硬貨のみ可能な装置にしなければならない。
風営法では基本的な構造要件が定められていますが、実際のところ、現地調査での担当官の判断によるところが大きいです。
例えば、「客室内の見通しを妨げる設備を設置してはならない」という要件。
一応、床からの高さが1m以上の物は見通しを妨げる設備とみなすという具体的解釈は出ているのですが、店舗によって構造は千差万別ですし、高さ制限以外のところにおいても「これは見通しを妨げる構造か否か」という判断が分かれるところです。
したがって、場所的要件と同様に、物件契約の前に慎重に検討する必要があります。
※クレーンゲーム等のゲーム機は高さ1m以上ありますが、これ自体は見通しを妨げる設備には該当しません。
ただし、クレーンゲームの上に賞品のぬいぐるみを飾れるような造作をした場合などは、見通しを妨げる設備としてみなされる可能性があります。
ゲームセンターの許可を取るポイント
大阪府におけるゲームセンターの許可を取得するのに要する期間は、申請してから55日が目安です。
ゲームセンターについては、許可を取る際はもちろん、許可を取って営業を開始した後に注意すべき点があります。
①景観協定などの規制に注意
ゲームセンターの許可を取れる地域については、基本的には上記で紹介した場所要件を満たせばOKなのですが、稀に例外にぶち当たります。
それは一部の地域や商店街等に存在する「ここではゲームセンターやパチンコ店をやらないでください」といった独自の規制です。
ミナミの繁華街である宗右衛門町なんかも新規でゲームセンターの出店ができないように規制されています。
物件を借りる際は、不動産業者等に商店街の出店規約等がないか確認することをオススメします。
②景品の仕入価格
風営法では「遊戯の結果に応じて賞品を提供してはならない」と定められています。
こう言うと、だいたいこのように反論されます。
「いや、クレーンゲームで取った賞品は持って帰れるじゃん」
そのとおり。クレーンゲームの賞品も立派な「遊戯の結果に応じた賞品」となります。
しかし、風営法の解釈運用基準というものでは、これについての一部例外を認めているのです。
「遊戯の結果が物品により表示される遊戯の用に供するクレーン式遊技機等の遊戯設備により客に遊戯をさせる営業を営む者は、その営業に関し、クレーンで釣り上げるなどした物品で小売価格がおおむね800円以下のものを提供する場合については法第23条第2項に規定する『遊戯の結果に応じて賞品を提供』することには当たらないものとして取り扱うこととする。」
ちょっと回りくどい言い方ですけど、要約すると「ほんとはダメだけど、800円以下の安いものだったら大したものじゃないし、いいんじゃね?」ってことですね(^^)
③年少者の立入制限
ゲームセンターは風営法による規制対象業種の中で唯一、子供が出入りする施設です。
学校帰りの高校生だけでなく、休みの日なんかは昼間から小学生が遊びにきたりしますよね。
一方で、ゲームセンターの営業時間は基本的に深夜0時までと定められています。
そうなると夜中に年少者がゲームセンターに寄り付くのは教育上よくないということで、風営法ではゲームセンタへの年少者の立入制限規定が設けられています。
具体的な規制内容は都道府県によって若干異なりますが、大阪府の場合は以下のようになっています。
・午後10時から翌日の午前6時までの間、18歳未満の者は立ち入らせてはならない。
・午後7時から午後10時までの間、保護者が同伴しない16歳未満の者を立ち入らせてはならない。